最初に伝えておきたいこと
「『土曜日の放課後』って言っても、今は土曜日も休みなんだから、土曜日に放課後なんかないよ」って言われるかも知れないね。
けど、かつて土曜日も学校はやっていて、昼までで給食はなし、「半ドン」ってやつで、午前中授業で早帰り。
「半ドン」って分かるかな?
オランダ語の「ドンターク」が休日って意味で、午後からの半日が休日だから「半ドン」。
かつての休日は日曜日の1日しかなかったけど、土曜日の午後の解放感と言ったら、「明日は休み」ってことで、日曜日よりも土曜日が好き、って人も多かったと思う。
そんな土曜日の解放感を、自分がその当時を楽しんだ頃の年格好にあたる今の君たちに楽しんでもらおうという趣向です。
僕らがちょうど今の君たちくらいの頃、ざっと40年くらい前の話になるけど、過ぎてしまえば、あっと言う間。
まだその頃は環境問題や地球温暖化なんて、それほど騒ぎになっていなかった。
あと数十年で石油はなくなるなんて言われていたけど、とりあえずまだ石油は残っている。
ただそれを使用し続けることが大きな問題になってしまっている。
少子高齢化はどうだろう? 高齢化のことは社会の教科書に載っていたと思うけど、これほど子どもの数が少なくなるとはちょっと予想できていなかったと思う。
現在の日本の人口は1億2,593万人。これが西暦2100年には、半分以下の5,972万人になるというショッキングな予想がある。
これは、大正期の人口とほぼ同じ。ただ人口構成が全く違う。いびつな人口ピラミッド、老人だらけ。
そう、運よくその時を君たちは見届けられるかもしれないけど、その時君たちはどう思うだろうか?。
若い人がなかなか選挙に行かない、とか、まだ多くの問題があるはず。
せっかくなんで、君たちにとって、先の社会のことをちょっとだけ教えてあげよう。
親や先生は、「勉強しなさい」とか言うけど、そこから先のことを、なかなか教えてくれない。
「オトナはズルいなあ」と、今になって思う。だから君たちには伝えておきたい。
「学校を卒業したら、世の中は正解のないことばかり」
これが君たちに伝えておきたいこと。
その瞬間、ルールが大きく変わる。
まずは就職のタイミングで驚かされ、ショックを受ける。
成績順で物事は決まらない、ってことを知らされる。
生きていくためには、そもそも個々に問題すら違っている。
だったら、「何で勉強しないといけないんだろうか?」
答を暗記したり、早く正確に計算することなんて、所詮コンピュータにはかなわない。
ただ、答にたどり着くための手法は学んでおいた方が良い。
それと勉強しておいた方が、人生の選択肢が広がる。
そして実際には、学校を卒業した後も勉強を続けられるかが重要。
もちろん、公式や答を暗記してなんていう勉強ではない。
「昔が良かった」などという言葉で単純に決めつけられないし、さらさらそんな気はない。
ましてや、それぞれの解決策についての「正解」なんて分かりっこない。
だから「みんなで考えてみよう!」ということを君たちに提案したい。
「学校」のこと、「佐賀」のこと、「社会・未来」のこと。
この「土曜日の放課後」のイベントの客席の中に、40年前の自分が居るんじゃないかと、考えたりする。
もし、自分が若い時にこんなイベントがあったら毎回会場に行き、YouTubeも欠かさず見ていたはず。
メッセージを送ったり、企画を考えたりしていたに違いない。
もし、自分が今頃大学生だったら、この企画で起業を考えていたかもしれない。
もしもの話は意味がないけど、そんな気持ちでこのプロジェクトを考え、進めていくからね。
総合プロデューサー 秀島ヒロノリ