経済学の限界

大学で何を学ぶかの話。

私は経済学部経済学科に進学し、専攻は日本経済史でした。
主に、日本にどのようにして資本主義が起き、定着して行ったのか、という「資本の本源的蓄積(源畜)」をテーマに卒業論文を書き上げました。
このこと、大学卒業後ほとんど役に立つことはありませんでした。
ただ、このときに学んだ思考方法については、その後の生活や仕事の面で大きく役立っています。

経済学部には、経営学科もあって、簿記や会計学の授業は、会社でも役に立ったし、起業してからは大学で学んだこととしては、役に立った、唯一と言って良いものです。
大学では、マーケティングなどの授業もあったけど、その時にはあまり気にもせず、この分野に関して言えば、個々の企業によって実効性が違うだろうから、一般論はあくまでも予備知識ぐらいかと受け止めていました。

さて、経済学の限界について。
理系の学部とかであれば、実験とか検証とか、自分が考えたことなどを実際に確かめることができる(費用とか倫理とか、実現可能性の課題はあるだろうが)。一方、経済理論、マクロ経済(国家規模の経済のこと)の経済理論は検証できる可能性なんかほぼ皆無です。
いくら優れた経済理論を考え付き、経済発展、国家財政、雇用、貧困解消等、多面的に見て、これは完璧だ、という理論、仮にこれを「ヒデノミクス」と名付けたとして、これを国家規模で試せるわけがありません。
それは大学の優劣のせいではなく、財務省の官僚であろうと経済企画庁の官僚であろうと、まずできない。
日銀総裁ならどうだろうか?。その立場になれば、実現の可能性はかなり高まるだろうが、その立場にたどり着くことができない。

経済学がかつての軌跡を検証するだけの学問だと、高校生当時に気が付いていたら、別の選択肢を選んでいたかもしれない。